そう、これが愛
新井のオムライスで腹ごしらえをした後眉上の青タンで散々笑い転げ空腹も苛立ちもスッキリ解消され、どれどれ少し部室にでも行こうか、と部室ドアを開け中に入る前にアルコール消毒液を身体に噴射し目線を上げる。
「なにやってくれちゃってんですか部長」
「え?あ!!歌己ちゃん!!どうしたのこんな時間に」
私を見てさぞ嬉しいです顔をしたがやはり好意があっても女である私に近づき難いのか微妙な距離を空け近づいてきた近づかなきゃいいのに面倒だなこの人、いや、待て待て、私が言いたいのはそれじゃない。
「どうして私の机が部長の机の前に引っ付いてるんですかどうしたんですコレ、イジメですか」
「ん?」
今まで部室の端と端に存在していたはずの私の机が、今部長の机の前に引っ付けられ仲良しオーラを出している。
「そのっこの方がもっとこう歌己ちゃんと仲良くなれるかなと思って、隣り合わせにしようか迷ったんだけど、肩とかもしかしてひょんなことで触れちゃうかもしれないでしょ?絶対吐いちゃうから俺、だから前くっつけてみました」
「そうですね」
ひょんなことから部長を殺してしまいそうです、ああ、前のままだったらまだ部長との位置に距離があったのに、あろう事か、私を端に追いやった張本人に完全に安全ゾーンを取られた。
その張本人はウキウキしながら自分の机にあった錠剤が入った瓶をそろりと私の机に置き、それを眺めにこにこしていた。やべ、今初めて本気でこの部活辞めたくなった。なんだあの薬。
人の机に訳のわからないドラッグ置くのは止めてくれとじーっと様子を見ていたら私としたことが奴と目が合ってしまった。部長は目が合った瞬間あたふたしていたが何か乗り越えたかのように頬をピンクに染めジーっと私の目を見る。
「なんですか」
「!!、いや、なんかみ、見つめられてたから・・・・・・頑張って見つめ返してみた/////」
「見つめていません、訂正してください」
どうやら迷惑さを訴えている視線を自分のいいように解釈したらしいまったく違うからまたそれが迷惑窮まりない。