そう、これが愛



瓶の経路を聞きたい訳でもないし、そのまま肌身離さずさっさと自身のポッケにしまってくれといつもなら言ってしまうところだが、なんだか最後の部長の言葉に可愛いく思ってしまった自分を殴りたかった衝動に掻き消されてしまった。


「ね、だから少しおすそ分け」

「結構です」

なにが、ね、だ。
瓶の中身を空き瓶に少し入れて私の机に置き、お揃いだよねと笑う部長はなんだか可愛い....駄目だ、これはいけない、なんとかこの甘ったるい空間から脱出しないとおかしくなりそうだ。

「私お昼ご飯食べてきますんで失礼します」

「え!?さっきオムライス食べてたじゃん!!!!.....!?」

なんで私が新井のオムライスを食べてた事知ってんだ気持ち悪い。

「ストーカーは止めてください」

「いや違っ・・・うくないかも・・・・・ねぇ歌己ちゃんってあの変態とどういう関係?」

きっと新井の事だろう、新井の奴何気に部長を狙ってたっぽいし、部長を見て舌なめずりでもしたんじゃないのか。


「まったくの他人です」

「そう・・・・・でも仲よさ気だった」
「他人です」
「・・・・・・・・はい」
「部長」
「何!?」
「(新井に迫られても)頑張って下さい」
「(お、応援された!!)う、うん!!ありがとう」


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