そう、これが愛



「前あの斉藤殴ってるの見ちゃった時から俺ずっとときめいててさ、声かけよう声かけようと思ってたんだけど、やっぱり声かけて正解!!あの拳!!あの力!!ああ!!癖になりませんように!!」


正確には声ではなく全身全霊で突進して来たではないのか、ってかどうしてくれようこの変態、部長と同じ匂いがする・・・・


「気持ち悪いです。癖になろうがならまいが結構なので帰って下さい」
「うは!!いい!!もっと罵って!!」

「・・・・・・・・」


今までになくやりずらい、この桐谷という男かれこれ30分はこうして部室に居座っている。あ、珈琲なくなった(※二杯目)


「お代わりどうぞ」

「・・・・・・・」

そうこうやって私の珈琲が空になるたびまた注がれる珈琲、もうお腹は珈琲で侵略されつつある。何がしたいんだこの男。

「あっ注ぐ姿が様になってるって?」

「いえ、聞いてません」

「やっぱバレちゃうんだなーオーラってやつかな?俺実はこう見えてホストなんだよね、No.1☆」

だから聞いてない、いやこの男も私の言葉なんて聞いていないのだろうけど。ぶっちゃけこの男の生態なんて部長の次にどうでもいい。

「そうですかお疲れ様です」

「ああ!!その冷めた態度やばドキドキしてきた!!なんかたぎってきた!!」

神様・・・あ、そういえば今まで神様が私に優しかった事なんてなかったな。床に座りハァハァしだした男を見て冷めた珈琲を掴む。

「歌己ちゃんただいきゃああぁあぁああ!!!な、な、何してんの歌己ちゃん!?」

「あ、部長」


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