そう、これが愛




「ちょっとあんた気安く歌己ちゃんで鼻血垂らさないでくんない?」

それは無茶だと思います部長、だって生理的現象ですし。桐谷さんはそんな部長に鼻血をナプキンで食い止め笑った、これが親友が絶賛していた意地悪っぽい笑みか、ナプキンがいい味出してマヌケ過ぎる。部長はマスクにゴム手袋着用だし、なんだこの図、なんで誰も突っ込まない、なんで黄色い悲鳴が飛び交うのだ。


「あんた斉藤さんだよね?邪魔しないで、歌ちゃんは今俺と話てんだからさ」

「歌己ちゃんは嫌がってるけど?嫌がってなくても俺が嫌」

「何それ斉藤が嫌なだけなんじゃん、言っとくけど歌ちゃんと俺もういい関係だからお前が入る隙間なんてねーよ?」

「・・・・・・・」

「発言に誤りがあります訂正を希望します」


「歌ちゃん!?」


部長が掴んでいる手に力が入った事を直接感じ部長を見上げると泣きそうな顔をしていた。

「部長・・・・・・泣かないで下さいこんな所で恥ずかしい」

「泣いてないもん!!」

「そんなでかい図体でもんなんて使わないでください。気持ち悪いもん」

「なんか・・・・・・歌己ちゃんが言うとかわいいね」

「・・・・・・・わかりました。とにかく部室に行きましょう」



部長の落ち具合を見て楽しいのかニヤつく桐谷さんを見るとにっこり笑い手をヒラヒラされた、はい永遠にさようならと手を振り返し、ゴム手袋着用しているので大丈夫だろうと部長の手を握って食堂を後にした。


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