そう、これが愛
スタスタと食堂から出ていく歌己を暑苦しい視線を送って眺めてる奴は確か桐谷 大地だったか、コイツも歌己狙いかよ。あの変人といいこの変態といい、まともな奴に好かれねーな歌己も。
「・・・・・・・で、そんなに見つめて何?新井君?」
「・・・・・・オメェの暇潰しで構ってんなら承知しねぇぞ」
「は、暇潰しでも無いし、俺が逆に構ってもらえてない感じじゃん、だから燃えるんだけど」
歌己がいた時とはまた違うコイツの顔におかしくて少し口角が上がる。
「桐谷 大地、確か大学内でも有名な軟派ヤローがなんでまた歌己なんだ、そこら辺にいる色気ある女狙えよ、お前の品格が落ちるぜ?」
俺の言葉に少し目を見開いたがすぐに目元を緩ませ笑うコイツに流石百戦錬磨と感心さえしてしまう。
肘を着きこちらを見るコイツの目は挑戦的で、ぶっちゃけ男が好きな俺には甘味。
「へぇ、そこまで知ってんなら話は早いな」
「女好きでドがつくSってーの?よく女泣かせてるのは誰でも知ってんぜ」
「あーそれか、俺Sじゃねーんだわ、逆に泣かされてみたいし」
・・・・・・・・・え?ちょ?まっ、え?
「え?」
「そうえむ、秘密だけど俺虐めるより虐められたいタイプ」
何故歌己が出てった時に俺も一緒に出てかなかったし、本当後悔。いや、確かにM好きよ俺。でもコイツ。
「なんで恍惚としてんだよ!!気色わりぃ!!」
「歌ちゃんちょうタイプなんだよまじで、俺が求めてた全部持ってるし、初対面で珈琲ぶっかけられるしあんな細腕で力強く殴られるなんて、それにあの冷たい態度あれで時々デレるんだよ!!最高過ぎる!!うわぁ思い出しちゃったしもう俺やばいどうしたらいい?」
「自重すればいいと思う」