そう、これが愛
「もう、あの衝撃的な出会いから一日一回は殴ってもらわないとなんか一日生きた気がしなくて」
はぁと甘いため息を漏らす桐谷 大地、いや、もうここまで酷いのは俺でも相手できねーよ、歌己逃げろ全力で。
「あ」
「げ!!」
「ん?」
声をあげる桐谷大地から目線を辿ると視線に気付いたのかこちらを向く・・・・・斉藤光。
ぎゃー!!!なんでアイツ普段部室から出ねーくせに!!タイミング考えろ空気読め!!コイツもわざわざ光に反応すんじゃねーよ!!お前は歌己だけにレーダー働かせてればいーんだよ!!あわわ、気づくんじゃねーよ無視しろ無視!!お前の得意技だろこっちくんな光!!めんどくせーから!!
「あれ、あんた?」
「桐谷 大地」
「名前なんて聞いてないし興味もないんだけど?」
「歌ちゃん好き同士仲良くなろーよ光ちゃん」
「お断りだよ」
「・・・・・・」
うわーちょう帰りたい、なんかお腹痛くなってきたな、早退するか。
ってかなんの集まりこれ空気悪過ぎだろ、息しずれーよ。
「ねぇちょうどいいから言わせてもらうけど、歌己ちゃんに近づかないでよ?」
「それは俺の勝手だろ?俺歌ちゃんの事本気だからさお前こそ諦めて研究一直線でいけよ、女嫌いなのに歌ちゃんが可哀相じゃん」
「大きなお世話なんだけど」
「俺なんてもう好き過ぎて歌ちゃんの爪の先まで愛でれる」
「俺も歌己ちゃんの事好き過ぎてもう何が好きかわかんないぐらい好きだもん」
いや、もう意味わかんないんだけど俺、どうすりゃいいんだ俺が考えられるレベルじゃねーぞこれ。
「では、爪切りで切った私の爪を差し上げるので思う存分愛でてあげてください。部長、部室に居ないと思えばなんちゅーキモい言い争いを、さ、帰りますよ」
「え?!ちょ、歌己ちゃん!!まだ言いたりなっ!!ぎゃん!!歌己ちゃんうううう腕!!腕掴んじゃやだ!!」
「わがまま言わないで下さいまったく」