そう、これが愛
「ちょっと!!!なんであんたがここにいんのさ!?ってかちゃんと消毒したの!?」
「歌ちゃーんなんか凄い怒られたんだけど怖ーい」
「歌己ちゃんに甘えないでよ!!!」
どうしたものか、先程まで機嫌が良かったのに桐谷 大地が部室に来てとたんがらりと機嫌が悪くなってしまった部長が桐谷 大地に威嚇している。
「っていうか今すぐ出てって」
「うん了解」
おや、部長の言葉に素直に従う桐谷さん。部長もまさかここまですんなり引いてくれると思わなかったのか、部長のキョトン顔を見て可愛いなと思ってしまった、可愛いってなんだよと自分に舌打ちするとビクリと肩を震わす部長に嬉しそうに私を見る桐谷さん。
そうか、舌打ちも桐谷さん好みとはますます対応に困るなこの人。と桐谷さんを見つめるとまたあの時の意地悪そうな顔をし私の腕を優しく掴んだ。って、私も退場対象なのか。
「一人で出っててー!!!」
遠ざかる部室から部長の叫ぶ声と歌己ちゃーん!!!!!と私を呼ぶ声、桐谷さんの笑った横顔を見てため息が出た。