そう、これが愛




桐谷さんとサヨナラをしてメソメソとコンクリートの角に寄り添っている部長の元にサクサクと足を進める。


「部長」


話かけてみたがすでに自分の世界に居るみたいでメソメソと泣きながらも口はブツブツと動いている。
気持ち悪いな、本当に大丈夫なのかなこの人の下で部活動励んで。


「部長、本当にいい加減目立つので立ち去りましょう」

「やだやだこんなのヤダ」

「私もこんな糞目立つ人に話かけるのヤですよ、さっさと帰りますよ部長」


バカの一つ覚えの様にヤダヤダと繰り越す部長の腕をヤダヤダと思いながら掴む私。

ヤダヤダ病が感染しそうだ、ヤダそんな病気。あっ



「こんのッ!!!ジメジメしないで下さい!!湿気臭いですよ部長!!」


「臭いっ!?」
「お?」

顔を青ざめ臭いに反応した部長。
そうか、潔癖は臭いに反応するのか。


「はい、臭いです。加齢臭クサイです」

「かっかかかか!!!!」
「はい」

そんな訳ねーだろと鼻で笑いながらもう何言おうとしているのかさらにテンパった部長を見ると涙目だ。

イジメ過ぎたかもしれないかもしれない。楽しいからいいか。






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