そう、これが愛



喋り出したかと思えば急にホワンと赤くなる頬。


え?なんで赤くなってんのこの人?


本当変わってんなと改めて実感しさてどう動くのか次の行動を観察していると、どうやら私と桐谷さんが原因らしい、全然心辺りはございませんが。


「・・・・・嫉妬しちゃったみたい・・・で、なんかただでさえ少ない元気根こそぎ持ってかれちゃって」
赤くなった頬に涙目でグワーっとまくし立てた部長が中学生が告白するシーンのように初々しくて可愛いかった気持ち悪いな私・・・・できるならリアルにではなく私は画面ごしの視聴者でいたかった。


っていうか嫉妬?えーっと部長嫉妬って感情知ってたんですかという感動のが強い。


「部長!!!!!」

「はいぃいいいッ!!??」

「嬉しいです、私。(部長にそんな感情があったなんて)」

「う、歌己ちゃんっ////」
「でも私、桐谷さんとただお茶してただけですよそれも強制的な。どのあたりに嫉妬されたんですか?」


「だってあんな風にお茶飲めて羨ましかったんだもん!!!俺絶対あんなところの飲みものなんて飲め無いしっていうかもうお手製珈琲入りタンブラー持参しちゃうもんね、だから黴菌に侵食されてるとも知らずにあんな楽しそうに飲める二人が凄い羨ましくってあー言ってたらまたムカムカしてきた、歌己ちゃんが笑いかけていいのは俺だけでしょ?俺だけのものにしたいの!!・・・・・・あ」



なんてこった・・・・・




「歌己ちゃん!!今のはそのっ!?・・・・・・歌己ちゃん??・・・・なんだか顔が赤いけど大丈夫?」




まさかこの人がテンパったとはいえこんな直球型なんて侮ってた。


「う、歌己ちゃん?」


「すみません」


「えッ?ヴグッ!!!」



ぽぽぽっと赤くなっているであろう顔を気にしながら
部室を飛び出すッ
ああ、よくある学園恋愛青春ドラマのようなワンシーンではないかと
とにかく走った。
部室を出る瞬間床に伏せて震えていた部長を私は見てない絶対見てない。








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