そう、これが愛
「・・・え、何してんだよヒカリ、新しい研究・・ではないよな」
歌己に用事が有り、ついでに変態でもおちょくりに行くかと部室のドアを開けると、床に這いつくばって悶えている・・・・変態がいた。
新しい研究かと思ったのだけれどもどうやら違うらしい、金色の髪からのぞく耳は真っ赤だ。
「・・・・・・客が来たんだぞ、茶を出せ、茶を」
「珈琲しかないから他あたって、っていうか、っていうか」
うわっうわっと床でプルプルしている
っていうかなんだ
「おい、大丈夫かよ」
「全然大丈夫な訳ないじゃん、目付いてんのアンタ?」
「・・・・・・・」
ぐったりしている奴から出るとは思えない言動だ、むしろちゃんと嫌味を忘れない斉藤 光、さすがだ。
少しイラっとしたが、新井 健人、大人な俺はにっこり笑顔でヒカリに歩み寄る
俺は大人、俺は大人
「また、歌己にでも殴られたのか?ホント飽きないなお前ら」
脇腹を抑えながら床に座りこむヒカリは無表情で何かを思い出し考えているようだ。
「歌己の事だ、ちゃんと誠心誠意謝れば許してくれるからよ」
「歌己ちゃんに俺の気持ち誠心誠意ぶつけちゃったんだ」
「あいつもあいつで、え?・・・・はっ?」
「歌己ちゃん、顔真っ赤だった」
「はあぁ!?はっもう一度言ってくれよく理解できなかった!」
「あんた、目だけでなく頭の弱いんだね。だから、歌己ちゃんに自分の気持ちぶつけたら、歌己ちゃん俺の脇腹にストレートぶつけて顔真っ赤にして出てっちゃったの」
ああ、もう。と耳を赤く染め、顔を真っ青に染めた斉藤 光を横目に
立ち尽くす俺、新井 健人
なんてこと・・・・
こいつは奥手だと・・
好きといいながらも絶対
男女の色恋どうのになるわけないと絶対ないと
信じてたのに・・・・
「信じてたんだぞっ!!斉藤 光!!!」
「うわっ!!なっなに!!ってかまだ居たのアンタ!?」
「手塩をかけて育てた娘なんだぞッ!!くそっ!!」
「気持ち悪い事言わないでよ!!あるわけないでしょお義父さん!!」
「お義父さんって呼ぶんじゃねぇ!!」