そう、これが愛


かといいこの胸が痛くなる症状は恋ではない
少しときめいてしまっただけだ、ときめいてしまった事事態大問題だが、
恋愛なら人並みにあるからわかる。
本気の恋愛というものをしている部長に対して中途半端には答えられるわけがない。


「・・・・・・・・なんとか誤魔化さなければ」

今日起こったこの由々しき事態をなんとか無かった事まではいかなくても
誤魔化し丸く治めなければ。




その時、床に放り投げていたバックから床を鳴らすバイブ音が低く響く
バックからこの音の原因である携帯を手にし画面を見ると、2日前から1日十数回飽きずにコンタクトを取ろうとする未登録の番号だ。

さすがにこれだけ何回もかけてくるとなると、友人なのかもと思えてくる
もしかして携帯を破損したかなにかで未登録になっているのかもしれない。
そう思うと親指が通話開始ボタンを押していた。


『もしも~し♪歌ちゃんやっと出てくてた♪』


ボタンを押した親指を折りたい衝動
なんて事をしてしまったんだ
親指を握りしめ怒りと後悔に渦巻く私を無視し
携帯からは脳に花でも咲いているのではないかと疑うほど
能天気な声がキャッチされている


『もう、嫌われてるのかもとか危惧しちゃったよ♪』

「かもではなく確実に嫌いです。なにしてるんですか?変態だけでは満腹に
ならずストーカーのお遊びにまで手がでてしまうなんて、余程お暇なんですね桐谷さん」

『いきなり俺を罵るなんて♪俺をどうする気?♪』

私の親指より彼の親指をヘシ折るのはどうだろうか?
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