そう、これが愛



「それよりもどこで私の番号を?」

私は教えた覚えがないし、友人からなら私の了解をとるだろう

『んー秘密』

「ヘシ折られたいですか?」

『え!!何の話!?」

「すみません、こちらの話です」

『部屋に誰か居るの?』

「ストーキングはやめてください。なんで私が部屋に居ると思うんですか?今友人とご飯を食べに来ています」

『も~嘘ついちゃダメだよ歌ちゃん、だって歌ちゃんの部屋明かり点いてるよ』

「・・・・・すみません桐谷さん、私しなくてはいけない事があります
ので、折り返し電話します」


携帯の向こうで何するの~?と相変わらず能天気に話す桐谷さんを無視し
まずは警察に電話し、いざとなった時のために新井 健人を呼び出そう。
奴に私の身代わりになってもらおうと考えを巡らせていると、玄関先から
私しかいないはずの部屋なのに微かに人の気配がした。


『ダメだよ戸締りはちゃんとしなきゃ、悪ーい奴が来たらどうするの?』


< 58 / 98 >

この作品をシェア

pagetop