そう、これが愛
「桐谷さん、あのですね」
「歌ちゃんもしかして調子悪いの?うぐっっ!!」
私の言葉を遮り顔をのぞき込む桐谷さんを反射的に殴ってしまった
まったく計画が台無しではないか元気ありまくりみたいになってしまった、くそっと内心毒ずくと桐谷さんは殴られた部分を押さえその顔は心配そうだ
「拳に覇気がない・・・・やっぱり体調悪いんだ、なんで早く言って
くれなかったの!!ほら横になって!!」
「えっちょ!?」
あれよあれよとベットまで押されバフン!とベットにお尻から
落ちた、拳で私の体調まで感知するとはもう何も言うまい。
ここはありがたく横になり今日の事は忘れてまた明日考えようと
目を閉じる。
「ちゃんと横になって、ほら布団もちゃんと肩までかけて、何か食べる?
おかゆ作ろうか?じゃなきゃ薬飲めないもんね」
「・・・・・・・・」
お母さん・・・・・
一瞬、桐谷さんが実家の母親に見えて
少しウルっときてしまった、うちの母はこんなにイケメンだったのか・・・
「おかゆだけじゃ味気ないからな・・・・卵粥ならどう?卵ある?すぐ作るから
ゆっくり横になってるんだよ?出来たら起こしてあげるから」
そう言い私のおでこを一撫でし桐谷さんはキッチンへと消えていった
なんだか別人かの様な桐谷さん・・そうか、桐谷さんはお母さん属性だったのが・・・・・
やばいぞ、お母さん属性に私はかなり弱い
ついつい甘えてしまう症状がでる、そのせいか今おでこを撫でられたが
罵倒も拳も出なかった・・・・・
遠くのほうでお米がぐつぐつと踊る音が聞こえ始めたのと
同時に私の意識も薄れていく・・・疲れてるんだな・・
眠りに落ちる瞬間またおでこを撫でられた感触がした。