そう、これが愛


卵粥も出来上がり、あとは食べやすい温度まで冷ますだけだ。
部屋から布が擦れる音が聞こえキッチンから顔を出しベットを覗いて見ると

「はは、歌ちゃん寝相悪い」

お腹からこみあげてくる笑いを喉の辺りで止めたため、クスクスと鳴る

「ベットから片足出てるし」

キッチンから身体を出し一歩一歩ベットに進み歌ちゃんの片足を
自分なりに精一杯優しく持ち上げ布団の中に入れてあげた

起きたかな?と顔を覗きこめば、クフクフと寝息をたて
幸せそうに寝ている

先ほど泣いてしまうんじゃないかという程怖がっていた歌ちゃんを見て
いつも俺に渾身の一撃を食らわすこんな子も女の子なんだと胸の奥で何かが疼いた。

布団から飛び出しているいつも力強い腕も手も今触れた足も小さくて細くてフワフワと柔らかくて・・・・って

「よくもまぁ、男が居るのに無防備に寝る子だなー・・・肝が据わってるのかな?」

今日一日で癖になったのか歌ちゃんのおでこを撫でようと手を伸ばすと一瞬にして視界に映る肌色


「ストーップ!!!ストップ!!!!」


待ったをかけ自身の腕で顔面をクロスガードする。


「歌ちゃん、俺だよ!卵粥出来たから起こそうと思って!!」

早口で今目の前で鉄拳ポーズをとる寝ぼけているであろう歌ちゃんに事情を説明する。


「・・・・・ああ、貴方ですか・・・・」

「そうです俺です」

いつもと違う雰囲気で俺に鉄拳を繰り出そうとしていた歌ちゃんに本当に


「殺されるかと思った・・」

「・・・・貴方を殺して私が汚れるなんて心の底から嫌です・・・」





本当に心の底から嫌そうな顔をされた・・・・



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