そう、これが愛



「・・・桐谷さん・・これは・・・」


桐谷さんに起こされめちゃくちゃ不愉快な思いをして
ダイニングテーブルの椅子に座り湯気の立つ丼ぶりをチラリと見ると


「卵粥だね」

「いいえ違います、これは卵粥ではありません」

「いえ卵粥です!!俺が愛情込めて作ったんだよ?」

「殺意がこもってます」

「いやいやいや!!そんな怖いもの込めてないよ!!えっ!?そんなに見た目まずそう!?」

「・・・」

「黙らないで!?」


一体どう調理すればこれだけお粥と一緒に焦げの残骸が入るのかが不思議だ


「・・・」

「・・・・・・ごめん歌ちゃん、無理して食べなくていいよ・・・実はあまり
料理した事がなくて・・」

「でしょーね」

「!?・・・」

申し訳なさそうにガッツリ落ち込む桐谷さんにガッツリ本音がポロリした、ヤベ、まぁいいか桐谷さんだし


「今の今まで沢山女性達に料理を作ってもらっていながら、その内の卵粥さえ作れないとは・・・いやはや、これは」

「・・言い返す言葉もございません」

向かい側でしょんぼり肩を落とす桐谷さん


「まぁ、食べますが・・うちの材料ですし」

食べてくれるのが余程嬉しいのか、それとも私のもったいない発言が薄々わかり悲しいのか


桐谷さんは泣いていました。



「あ」

めそめそと泣き真似をしている桐谷さんを完全シャットダウンし、だって桐谷さん泣くの好きらしいし思う存分泣いていただこうと焦げ粥を口含んでいると、声を上げる桐谷さんにんん?と目線を向けると・・・・・桐谷さんの手が私に向かって伸びてきた・・・・・















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