そう、これが愛
「え・・・・何これ歌己ちゃん?」
「鮭です」
「見りゃわかんよ。っていうかなんで鮭」
目の前には体長80センチはある鮭をまるまる俺に突き出す
昨日の今日なので一体歌己ちゃんにどう接するかとか、歌己ちゃんが
どう接してくるのかと、昨夜は悶々と悩み悩んだあげく気分が悪くなり
気づけば外から入り込む朝の光と胃から迫り上げたてしまったモノで目覚めた
その掃除もあって今日は少し大学に来るのが遅くなったのだけれども・・・
サケときた・・・朝から生臭い匂いが部室に充満する、た、耐えられない
「サケ目サケ科サケ属の鮭です・・・・・昨日は私に非があったのでお詫びの品と言ってはなんですが、古来より神聖な魚だと言われ余すところなく栄養が豊富な魚ですのでどうぞ受け取ってください」
あの歌己ちゃんが珍しく頭をペコリと下げ、手に持つ神聖なサケを突き出してきた
ここまでしてもらっては受け取らないわけにもいかないしましてや相手は歌己ちゃん。
受け取ろうと震える手をもう片手で固定し伸ばす
「!?!?」
ひゅっと声にならない息がでた
あれ今サケと目があった!!??
「ううううううう歌己ちゃん!!!!」
「変な呼び名ですね部長にしたらナイスネーミングだと思います」
「あ、ありがとう!!///。じゃない!!これもしかして信じたくないけど生きてるの!?」
「何言ってるんですか」
「あっ、だよね」
「新鮮な方がいいに決まってます」
「ぎゃあああああああああ!!無理無理無理!!目が合ったもん!!絶対俺の事
呪い殺そうとしてる!!」
「何言ってるんですか情けないシャキッとしてくださいよ。ほら、こんなにパッチリお目めで可愛いのに」
「死にかけてるよその子!!目濁ってるもん!!息できなくて目見開いてる!!」