white or brack

「「………」」

余りに大きな音でビックリして

ポカーンと慧の出て行った扉を見つめる

「慧ぃー、どうしたー?」

踊り場でボーっとしていた慧が、出掛けたはずの零の声で階段を下りだした。

まずい…

慧の奴、零に抱きつくんじゃ…

慌てて立ち上がって踊り場に出ると──


遅かった────…

俺が踊り場から見た光景は、慧が零に倒れる様に抱きつく光景

あぁ…やっぱり…

「疾風、行くぞ…慧が零に抱きついた…」

「何だと!?慧の奴そんな趣味が…」

「はぁ…馬鹿なこと言うな」

俺は今だぶつぶつ言っている疾風をほって階段を下りる。

階段を下りて周りを見ると

おそらく倉庫に居る全員の視線が慧と零に向けられていた

「恭耶!慧が」

歩いてきた俺に気づいた零が慌てた様子で言う

はぁ…

ため息をついて

「いつものことだよ」

そう言いながら近づく

どうせ少し揺すったら正気に戻るんだし

なんて軽く考えて…。


「おい!慧起きろ!」

そう呼びかけて揺するが反応なし

おかしいな…

首を傾げつつも強く揺する

「ちょ!恭耶そんなに揺すったらだめだろ!」

次の瞬間俺は驚くことになる

「慧、熱あるみたいだぞ」

どうやら起きないと思ったら

うちの総長さまは熱があったらしい……



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