オアシス


やっぱり聡が……いや、聡も、なのかも知れない 。このモヤモヤした感じが心地悪かった。

「何か疲れたから、テント入るね」

場を逃れるようにして菜々が言う。

「うん。俺もそうする」

いっちーも菜々に続き、聡と準平も無言でテントに入っていった。テントは男女別で二棟張ってある。私は菜々と二人だった。あとからテントに入った私は、菜々が寝る準備をしていたことに驚いた。

「もう寝るの!? 早いよ」

「何か、疲れちゃって」

「そっか」

「ねぇ」

たいした気にもとめなかった私は、菜々の隣に寝る場所を作っていた。菜々はそんな私を黙って見つめ、後ろから静かに呟いた。

「準平君のこと、どう思う?」

……!!!

驚いて第一声が出なかった。ただただ後ろを振り返り、菜々を凝視した。

「どう思うって……どう言う意味?」

私は恐る恐る、聞いた。

「好きか嫌いか。恋愛感情があるのかないのか」

菜々はピクリとも動かず瞬きもせずに無表情で言った。
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