オアシス
ギリギリまで引っ張って引っ張って……そして高校三年生の終わり……二月に、家族に話した。
“実は、あっちで就職決まってるんだ。せっかく決まったんだから蹴るわけにはいかないから。黙っててごめん”
そう言うと母親は、
“いつ面接に行ったの? ねぇ、あんた……面接は?”
そう聞かれ、面接官が学校まで来た、と嘘をついた。
妙な感じで首をかしげながら納得する母親。ずっとどこかを睨みつけ一言も発しない父親。
“お姉ちゃんすごいね! 芸能人とか会えるかも知れないよ~! いいなぁ~!”
……唯一、妹だけが賛成していた。賛成の理由は、単純だけど……。
そして、
“学校に面接官が来たなんて嘘だろ”
父親が、やっと重い口を開いた。一点を睨み腕組みをしながら、言った。
私は何も言えず沈黙のバリヤを張る。肩が上にあがり硬直したまま、口を真一文字に結んで押し黙っていた。すると、
“実は、あっちで就職決まってるんだ。せっかく決まったんだから蹴るわけにはいかないから。黙っててごめん”
そう言うと母親は、
“いつ面接に行ったの? ねぇ、あんた……面接は?”
そう聞かれ、面接官が学校まで来た、と嘘をついた。
妙な感じで首をかしげながら納得する母親。ずっとどこかを睨みつけ一言も発しない父親。
“お姉ちゃんすごいね! 芸能人とか会えるかも知れないよ~! いいなぁ~!”
……唯一、妹だけが賛成していた。賛成の理由は、単純だけど……。
そして、
“学校に面接官が来たなんて嘘だろ”
父親が、やっと重い口を開いた。一点を睨み腕組みをしながら、言った。
私は何も言えず沈黙のバリヤを張る。肩が上にあがり硬直したまま、口を真一文字に結んで押し黙っていた。すると、