オアシス
Vol.5〈秘密〉
〈Vol.5〈秘密〉〉
あれから一週間が過ぎた。特別かわったこともなく、私は店とウィークリーマンションの往復を繰り返していた。仕事も順調だし、週に一度は菜々と遊ぶ。菜々は相変わらずテンション高めで、明るく楽しい女の子だ。今日も早番の勤務が終わり、自分の貴重品を取りに事務所へ行く。財布や携帯など大事な物は事務所内の鍵付きロッカーに入れることを店側から義務付けられている。
すると菜々が事務所に入ってきた。
「瞳~! お疲れ!」
「お疲れ!」
「あ、そうだ。瞳、今日これから何か用事ある?」
「ん? 何もないけど」
「じゃあさ、これから飲み会があるんだけど行かない?」
「え……飲み会?」
「フフフッ……。実はね、こないだのバンドのメンバーの何人かが来るの」
……え?
私は返答に困り菜々から目をそらした。
「でもね、誰が来るかはわからないんだ。でも、いっちーは確実だけど」
……。