オアシス


私は、あの兄弟のことを思い出していた。たぶん、頭で計算しなくても無意識のうちに二人のことを考えると思う。

聡……

準平……



あなた達のことを、もっと知りたいです。



………………



翌朝――



カァカァカァ……



“何? うるさいよ?”



カァカァカァ……



“うるさいってば!”

私はあまりのうるささに目が覚めた。

寝ぼけながらカーテンを開けると、思いきり朝日に照らされ、そしてうるさい正体を確かめる間もなく、それはカラスの集団だった。

“カラスかよ……”

がっくりきた。私は昨夜、ほとんど寝てない……というか眠れなかった。



仕事へ行く準備をするが寝不足のせいかコンタクトをつけたら一瞬目がチクッとした。

寝不足の朝は目が重くて仕方ない。それに体はダルいし面倒くさい。

私は重い腰をあげ、ウィークリーマンションを出た。



………………



「おはよう」

「おはよ。いらっしゃいませ」
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