オアシス
Vol.9〈夏の夢〉


〈Vol.9〈夏の夢〉〉



梅雨も明けて、夏本番だ。夏は遊びがいっぱいで毎日が楽しい。東京の夏は人工的な暑さもあるけど、夏は大好きだからすごくワクワクする。
あれから何事もなく、ただ淡々と毎日が過ぎた。そんなある日、菜々が……。
“次の土日なんだけどぉ~……。いっちーと丸山兄弟と私と瞳でキャンプ行かない?” と言ってきた。少し驚いたけど即決した。 “丸山兄弟” と聞いて答えはもちろんイエスだった。あの兄弟のことは一日たりとも頭から離れたことはない。常に、私の中にいる。次のライブはいつだろう……早く会いたい……早く顔が見たい……笑顔に会いたい……。そう思い続けていたら菜々から誘いがあった。
私は早速、次の土日の休みを取った。たったの一泊二日なのに今から何度も何度も荷物のチェックをした。鞄から出したり入れたり……。何度繰り返しても変わらないのに、何度も繰り返す。そして、あの二人の顔を思い出し想像しては一人でドキドキしていた。
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