オアシス
刻一刻と、
過ぎていく――
♪♪♪~……
……!!!
来たーっ!!
慌てて携帯を開いた。予想通り菜々からのメールだった。
“着いたよぉ~。青い車ね”
私はレースのカーテンをほんの少し開け、外を確認する。確かに、鮮やかなブルーの車がとまっていた。
急に心臓の鼓動が高まり、今になって、忘れ物はないか不安になったりした。荷物関係は、何度も確認したにも関わらず。
ウィークリーマンションを出て、車の硝子窓を覗き込んだ。すると内側からドアが開き、“瞳~!”と菜々が手を振っている。私は狭い後部座席に乗った。真ん中には菜々が、その横にはいっちーが座っていた。運転手は聡、助手席は準平だ。“今日お天気で良かったよねぇ~!”と菜々。“おぅ! 俺、自他共に認める晴れ男だから。なぁ聡!”といっちー。私達四人はハイテンションだったが準平は相変わらずクールだった。ポツリポツリと話し、車窓から過ぎ行く景色を見ている。