空を泳ぐさかな 【短編】
「シャボン玉はタマゴなんだよ。言葉として生まれる事のなかった気持ちが、いっぱい詰まってる」
「…なにそれ」
少年は、背負っていたカバンの中から小瓶を取り出し、ふたを回して開けた。
そして、その中にコトンと玉を落とし入れ、ふたをきっちり締めて話を続けた。
「愚痴とか不満とか、叶わない夢とかそんなこと考えてシャボン玉吹いてたでしょ?」
「苦しい言葉が吐き出されるならいいじゃない。大人はね、他の人には言えない悩みがいっぱいあるのよ。さっき君は夢のタマゴを捕まえるとか言っていたけど、吐き出されるのは嫌な気持ちなんでしょう? だったら捕まえる必要なんてないんじゃない?」
「…なにそれ」
少年は、背負っていたカバンの中から小瓶を取り出し、ふたを回して開けた。
そして、その中にコトンと玉を落とし入れ、ふたをきっちり締めて話を続けた。
「愚痴とか不満とか、叶わない夢とかそんなこと考えてシャボン玉吹いてたでしょ?」
「苦しい言葉が吐き出されるならいいじゃない。大人はね、他の人には言えない悩みがいっぱいあるのよ。さっき君は夢のタマゴを捕まえるとか言っていたけど、吐き出されるのは嫌な気持ちなんでしょう? だったら捕まえる必要なんてないんじゃない?」