空を泳ぐさかな 【短編】
4
のんきに背伸びをしている少年を、私は怒る気にはなれなかった。
赤く染まる空に浮かんだ、たくさんのサカナ。
シャボン玉がタマゴだなんて、手品の口上なんだろう。
だけど、悲しい気持ちばかりで造られた雲だから、雨が降るのだろうか。
私の変わりに空が泣いてくれるのかもしれない。
そう考えたら、怒る気持ちは浮かんで さえこなかった。
赤く染まる空に浮かんだ、たくさんのサカナ。
シャボン玉がタマゴだなんて、手品の口上なんだろう。
だけど、悲しい気持ちばかりで造られた雲だから、雨が降るのだろうか。
私の変わりに空が泣いてくれるのかもしれない。
そう考えたら、怒る気持ちは浮かんで さえこなかった。