ヒミツのお姫様☆2nd
「やっぱり、俺…おまえが苦手だよ。
掴みどころなくて」
ふっと笑いながらそう言う爽。
いやいやいや……あなたも十分、掴みどころありませんから。
「俺も……だよ」
信哉はそれだけ言うと、鞄を手に持ち、歩き始めた。
寮に戻るのかな……。
そして、教室を出る前に、扉の前で立ち止まり、私に顔を向けた。
「柚希……ごめんな。
俺が嫌いになったならそれはそれでいいから……」
信哉はそこで一度、言葉を切った。
そして、数秒後また信哉は口を開いて、
「俺を避けてくれったって構わないから……。
お幸せに……」
最後にそう言って教室を出ていった。