ICE
それから、連絡できなくなった
優太はその先輩と話すんだって
1日が長くて・・・
優太の声を聞かないと
寂しくて
辛くて
でも、絶対に弱いところは見せない。
いや、見せれないんだ


今まで私は1回も泣かなかった
保育園、小学校って
ずっと同じメンバーで
でも、私はいっつも男子と遊んでいた
学校から帰ると
幼馴染の家へ
必ず5:1とかになる
周りにはいつも
「あんりは強いもんね」
「あんりって絶対泣かないよな」
「あんりって悩みなきていーなー」
「あんりちゃんって弱音はかないよね」
今までに何回も言われてきた言葉
本当に辛い時も
絶対に弱いところを見せれない
どんなに悩んでも
それを相談することはできない

優太の元気がない
「どうしたの?」
って聞くと
「先輩からの連絡なくてさ」
連絡無いんだ・・・
「でも、いつくるかわかんないから
 電話はできない・・・
 ごめんな」
「いあ、いーよ
 ってか、ずっと待ってるの?」
「うん」
「そっかー何時まで?」
「5時」
「え?」
「毎日待ってるけどさ、
 こないんだよね」
「そっかー
 まぁ、体壊さないように」
「うん」
優太は絶対その先輩が好きだよね
だって
ずっと待ってるんだよ?
すごいよね・・・

「優太はその先輩が好きなんだね」
思い切って言った
「え?」
「だってそーでしょ?
 待ってるんだもん」
「まぁね
 でも、好きじゃないよ」
え・・・
「どーだか」
「ほんとだって
 好きってのは友達としてだし」
友達・・・
「そっかー」
友達として好き
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