リエヴェメンテ
ヴィアクユールが発した質問に、シャンテは苦笑いを浮かべながら答えた。

簡単にまとめると。

国王が亡くなり、新しい国王が立った。
しかし新国王にとって前国王の血縁者であるシャンテは邪魔者。
だが、殺せば後々大変になる。
ならば、魔王を倒すという大義名分で彼女を戦場に送り込めばよい。
騎士としての称号を持っているため不自然ではない。
後は魔族なりモンスターなりが彼女を殺してくれるのを待つのみ。

そしてシャンテは出来るはずもない使命を負わされ、城を追われたのだ。




「まっさかあのおっさん。私が魔王と知り合いだなんて思いもしないんでしょうね」

魔族の追手を難無く振り切りつつ、シャンテは豪快に笑う。
彼女の背中にへばりつく格好のヴィアクユールは、呆れたようにため息を落とす。

「それで俺が行かないって言ったらどうする気だったんだ?」「言うわけ無いじゃん」

即答である。
しかしヴィアクユールには否定出来ない。
事実最近は何度も脱走を繰り返していて、監視がついていたのだ。
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