Best Love
私の頭の上にある夏海ちゃんの手に、力が入るのが分かった。
「か、勝手な事いうなっ!!」
絵真ちゃんが焦ったように言った。
「本当にいるならとっくに噂になってるだろ!?」
「嘘だと思うならあいつをつけてみればいい。毎日ってわけじゃねぇみたいだが、他校の女と一緒に帰ってるぞ。」
目の前が、真っ黒になった。
「てゆーか何で先生がそんな事知ってるんだよ?!」
「暇だったから尾けた。」
「はぁ?!」
絵真ちゃんと先生がまだ何か言い合ってる。
でも、私の耳にはもう何も入ってこなかった。
胸が痛くて、息も出来ない。
ただただ、夏海ちゃんの手の重みが微かに感じられるなか、
私は
初めて
恋の痛みを、知った。