いちごおれはお好きですか?
『行こうよ!』
「へっ?ちょっと―――」
そう言うと、美也は私の腕を引っ張って下駄箱に向かって歩き始めた。
案の定そこには椎名先輩がいた。
女の子の数は本当にすごい。
椎名先輩、気づかないかな。
って気づくわけないか…。
「美也、戻ろ―――」
戻ろうと言いかけたときだった。
今椎名先輩と目が合った気がした。
って、そんなわけないよねー。
一回話したぐらいで、私のこと覚えてるわけな…――――
って、あれ…?
椎名先輩は私の方に歩いてきた。
『桐乃!』
美也は横で私の名前を呼んだ。