いちごおれはお好きですか?
椎名先輩、格好良いな…
私は横に座っている先輩の顔を眺めていた。
私、校内の王子様と一緒にいるんだね。
それに、普通に話してる。
私って椎名先輩にとってどんな存在なんだろ。
『早瀬。』
「…はい。」
『早瀬は好きな人いるの?』
…えっ?
「…はい?」
え、え?
急にどうしたんだろ。
椎名先輩です。
とは言えないし。
「…いませんよ。」
『そっか、…良かった』
「へ?」
椎名先輩、今なんて…
『早瀬あげる。』
そう言って椎名先輩はいちごおれを渡してくれた。
『それじゃあ明日ね』
椎名先輩はそのまま屋上から出ていった。