いちごおれはお好きですか?






「あ、の…椎名先輩?」



私の声が聞こえていないのか、淡々と手当てをする先輩。





『ちょっと痛いかも。』



そう言いながら椎名先輩は消毒液を傷にかけた。





「っっ…!」



思ってたより染みる…(泣)





『大丈夫?』



私の顔を覗き込む先輩に私は小さく頷いた。

私…、なにやってんだろ。


先輩にこんなことしてもらってさ…。





「椎名先輩ごめんなさい」





『なにが?』



包帯を巻きながら返事をする
椎名先輩。





「わざわざ手当てまでしてもらって…。私、迷惑かけちゃって…」



自分で言っててなんだか切なくなった。

椎名先輩に良いとこ見せるつもりが、こんなダサいとこ見せちゃったよ…。





『謝んないでよ』




「…へ?」




『俺がやってあげたいだけ』





そう言い私の頭を優しく撫でてくれる。




…ッッ///////



心臓の音が一気に大きくなった気がした。








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