【短編】花咲か兄さん【企画】
「急にゴメンね。実は桜木さんに伝えたいことがあって……」
もしもダメだったら
僕はこの笑顔を
二度と見ることが
できなくなるかもしれない。
そう思ったら
足がガタガタと揺れだした。
俯いたまま言葉が出ないでいた。
すると
「岡村くん?大丈夫だよ、私ちゃんと聞いてるからね」
優しい言葉と
いつもよりちょっとだけ
頬が赤らんだ笑顔で
僕の足の震えは止まった。
「……僕は、桜木さんのことが好きです。もしよかったら僕と付き合ってください」
僕は花ちゃんを
真っ直ぐに見つめていた。
花ちゃんは少しだけ目をそらし
もう一度、僕を見つめて
小さく頷いた。
「はい、宜しくお願いします」
これが僕が花ちゃんに
告白をした時の話。