【短編】花咲か兄さん【企画】


「……その。悩みっていうか何ていうか、その」


「ん?」


分かってる。


南みたいな
恋愛経験豊富な人からしたら

本当にくだらないことだって。


「だからその……みっくんに、手を握ってもらうにはどうしたら良いのかな?」


「…………ぷっ。あはははは」


南はお腹を抱えて笑いだした。


「そんな笑うことないじゃん!」


私がムスッとするのを見た南。


笑いすぎて出てきた涙を拭って、
私の頭を撫でる。



「花って本当に可愛い。良いなぁ私にもあったんだろうな、そんな悩みも」


まだ膨れている私を
笑いながら見つめる南。


「花から握るのは嫌なんだよね?」




< 17 / 43 >

この作品をシェア

pagetop