【短編】花咲か兄さん【企画】
「……その。悩みっていうか何ていうか、その」
「ん?」
分かってる。
南みたいな
恋愛経験豊富な人からしたら
本当にくだらないことだって。
「だからその……みっくんに、手を握ってもらうにはどうしたら良いのかな?」
「…………ぷっ。あはははは」
南はお腹を抱えて笑いだした。
「そんな笑うことないじゃん!」
私がムスッとするのを見た南。
笑いすぎて出てきた涙を拭って、
私の頭を撫でる。
「花って本当に可愛い。良いなぁ私にもあったんだろうな、そんな悩みも」
まだ膨れている私を
笑いながら見つめる南。
「花から握るのは嫌なんだよね?」