【短編】花咲か兄さん【企画】
*花side*
ただ今、8:35。
朝ごはんもしっかり食べたし
南に選んでもらった服もバッチリ。
みっくんが9時に家の前まで
迎えに来てくれるのを
あとはただ待つだけ。
ああ、早くみっくんに
今日の服装見てもらいたいな……
可愛いって思ってくれるかな?
変くないかな?
「似合ってるよ花ちゃん」なんて
見つめられながら言われたら
あたし……あたし――
「はぁぁぁん」
「ねぇママ、お姉ちゃんがさっきから変な動きしてるよ」
「そうね、あんまり見ちゃだめよ?そんなことより蕾(つぼみ)も今日はお出かけでしょ、用意しなさい」
「はーい」
妹の蕾の視界から
私を消し去る様に
ママが手で目を覆っていた。
私は「はぁ」っと鏡を見ながら
ため息を吐く。
心臓がドキドキして
おかしくなっちゃいそうだよ。