【短編】花咲か兄さん【企画】
「花ぁ帰ろう」
疲れた様な声でそう言ったのは
私が胸を張って親友と呼べる
唯一の友達。
安田 南(やすだ みなみ)とは
中学二年からの付き合いだ。
「日誌だけ置いてきちゃうから
少しだけ待っててー」
教壇に置かれていた
提出用のノートと
ピンク色の学級日誌を手に
私は職員室に向かう。
職員室前の廊下を
ちょっと緊張しながら歩いていると、
校外走をしている陸上部を見つけた。
トップの人達が駆け抜けて行ってから、
2分くらいしてその人が現れた。