【短編】花咲か兄さん【企画】
その時、みっくんが立ち上がった。
みっくんは
真っ直ぐに野崎先生を見つめる。
「恋愛と成績と
何が関係があるんですか?
僕達が付き合うことで他の人達に
何か迷惑をかけましたか?」
み、みっくん。
野崎先生怒ってるよ。
「何だお前その態度は?」
低い声に身体が震えた。
みっくんは少しも目を逸らさない。
「僕は桜木さんと
別れるつもりはありません。
成績のことで不満があるなら
次のテストで結果を出します。
」
みっくんは私の腕をつかむ。
「それじゃあ失礼します」
小さくお辞儀をして部屋から出る。
その横顔はいつもよりも
輝いて見えた。
「ガキが意気がりやがって。
でも、オレにもあったな
あんな頃が」
部屋を出ていく時に
野崎先生をちらっと見たら
少し笑っているようにも見えた。
私の気のせいかもしれないけど。