~PM3:52~
 
 『ほんま暑い暑い暑い暑い暑い』
 
 下町まで30分。今日の気温は31度
 ほんまに暑いねん。
 
 『……おい』
 
 男の声……
 え?誰やねん。しかもあたしいま
 汗だくだくなんやけど。
 でもまだここ田舎町やしどうせ
 ダメンズやろうしいいか。
 
 『なんですか?』
 
 ………えっ。かっこいい…………
 どうしたんやろかあたし。
 変に体熱いねんけど。
 
 『…これ』
 
 その人が渡してきたのは農家の、
 おばちゃんからの伝言用紙だった
 
 『…え。でもなんでこれを?』
 
 『あぁ。あれ俺のばあちゃん』
 
 『えぇえぇええぇえ?!』
 
 『…そんなびっくりした?』
 
 『………嫌、別に』
 
 『ふ~ん。じゃ気をつけてね』
 
 『あ…はい』
 
 
 やばい…このドキドキ久しぶりや
 あたし完全に好きになったやん。
 けどあたし……誰も信じれへんの
 は今も変わっとらんから…
 気持ちのまま終わるんやろな。
 
 
 『…ただいま帰りました~』
 
 『おぉ~♪鈴ちゃん有り難う』
 
 『いえいえ…』
 
 『顔に“疲れた”って書いてあるよ』
 
 『……大丈夫ですよ~』
 
 『それよりうちでご飯食べいきな』
 
 『え、いいんですか?』
 
 『いいわよ♪全然♪』
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