~PM3:52~

 “プルプルプルプル”
 
 『…こんな朝に誰やねん』
 
 【着信:佐紀子】
 
 『………佐紀子…なんやろか』
 
 『…もしもし』
 
 『亜美が…亜美が…』
 
 『亜美がどないしたん?』
 
 『…交通事故で死んでしもた』
 
 『……………嘘や』
 
 『ほんまや!誰がこんな嘘つくん?
  …亜美がどれだけあんたのこと
  心配してたかわかってん?』
 
 『………』
 
 『なに黙ってん!あんたわいつも
  逃げてばっかりやんか!』
 
 『……ちゃう』
 
 『なにがちゃうねん!』
 
 『…あたしやって寂しかってん』
 
 『ほな聞くで?寂しかったら
  薬に手出していいんか?
  それは鈴にとって正しいんか?』
 
 『……』
 
 『……ほっ…ほほんまの鈴やったら
  そんな弱い人間ちゃうんやないん
  みんなびっくりしてたんや…で』
 
 『……ごめんまた連絡するわ…』
 
 
 もう答えられる言葉が見つからんく
 って…あの会話から逃げたかった。
 でも、もう亜美の命無駄にでないと
 思った。私は心に決意した。
 
 私は薬をやめる。
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