~PM3:52~
 
 
 【高校二年 冬】
 
 
 季節は冬になっていた。
 見渡せば静まりかえる世界。
 私はあの佐紀子の電話から
 二週間後地元を遠く離れた。
 
 
 さかのぼること7ヶ月前……
 
 
 『…彩、あたしここ離れるわ
  しばらく叔母の住んどる町
  に行くことにした……』
 
 『……ほんまに行くんか』
 
 『彩なら…大丈夫やで?』
 
 『絶対毎日連絡するから…』
 
 『……約束やで?』
 
 『…うん』
 
 
 こうして私は学校もしっかり辞めて
 この町を離れることにした。
 彩と離れることは少し心残りだけど
 お互い離れることも大事やと思う。
 
 
 これからまた新しい人生が始まる。
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