世紀的大恋愛
勢いよく飛び出したはいいものの。
それからの足取りが重くて重くて。
…思わずため息も漏れてしまう。
だけど新学期早々遅刻はいけないと
重い足を必死に動かし学校へ向かわせる。
「香~♪おはよ(笑)」
話しかけてきたのは、仲の良い優奈だ。
…声をかけてくれたと思えば、指を指して
私の髪型を笑っている。
「ちょ、っ。何笑ってんのよ(笑)」
つられて笑ってしまうのも無理はない。
彼女は、クリーニング後なのかそのまま
札がついたままだった。
「え?逆に何笑ってんの?」
急に笑いを止めて、どこがおかしいのか必死に
探す彼女。
私は、一息ついて彼女の制服についた札を
とる。
「あっ(笑)」
笑われていた原因に気づいた彼女は
思わず苦笑い。
「私もダサいけど、香(笑)髪型どうしたの?」
反撃だ。
…どうしたもこうしたも起きたら、ね。
「起きたらボンバーなってて(笑)アイロンで伸ばそうと頑張ったんだけど。どうにもならなくってさ、最終的にワックス的な(笑)」
そういうと、数秒また彼女は笑って
「そっか、まあ個性的でいい感じ♪うん(笑)」
何の励ましにもならない彼女の言葉に
ただ笑った。