世紀的大恋愛

「あ、早くクラス見に行こっ!」

彼女に強引に手を引っ張られ、掲示板の前へ。
そして私は自分の名前を必死に探す。

「あ、あたし一組だ;」
「あ、あ…たしも(笑)♪ってことは…。」

[同クラだ~*°笑]

と手を取り合って叫び、喜んだ。
とっても嬉しかったし安心したんだ。
…なんだか楽しい一年になりそう♪

と、胸を膨らませたのもつかのま。
始業式で…事件は起こる。

[三年一組担任、村岡颯太]

…。
…え?村岡だって?嘘でしょう。

[三年二組担任、保田美歩]

…。
おいおい。

二年生の時もそうだったのに、一緒?
二年連続、村岡?それで隣も保田?

これで私の中学最後の一年は終わった。
…最悪すぎる~。

そんな心境のまま、新任の先生の紹介。

[教頭 多野聖二]

壇上に上がり、話題のその人は挨拶をする。
え…、薄毛(笑)?てか結構歳行ってる。
あ、でも結婚してるわけだし当たり前か~。

なんてことを考えて、多野ワールドに浸る私に
上から雷が落ちる。

「コラッ、ちゃんと聞け!」

上を見上げると、あいつ…村上。
大きな声と、拳が私の上に落ちた。

「いった(泣)」

ちょっとだけ反省し、話を聞くふり。
…だって長いし、意味わかんないし…。

ああ!多野教頭の話中じゃん。
うわ~、最初っから怒られている所見られた;
最悪最悪、最低村岡。

この瞬間、私は終わったと実感した。


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