世紀的大恋愛
一通り新任の先生達の挨拶が終わって
生徒達は退館になった。
若干、さっきの拳骨の痛みが残ったまま
教室に着く。
「香、ださ(笑)最初っから村岡にやられて…。」
冷やかしてきたのは、親友の胡桃だ。
「だって、だってえ(泣)」
と、簡単に事情を話す。
きっと胡桃だから話せたことだと想う。
「ふぅ~ん。そりゃ香、超絶最悪ね(笑)ま、挽回挽回」
…そんな呑気に考えないでよ~と呟く。
「席に着け~。」
ドアを開けて、入ってきたのは私の一年を壊した張本人。
あいつ、村岡だ。
「じゃ、続きは後でね?」
胡桃をあわせ、立ち回っていた数人が急いで席につく。
恐るべし、村岡。
「え~、今年も引き続きお前達に関わるということで…」
長い話が終わって、新学期恒例の係り決め。
適当に定番の係を選んで無事決定。
普通はそれで、下校なのに。
「松阪~、ちょっと職員室に来いよ~!」
…何が?何で?何故に?職員室;
無言で胡桃に肩を優しくポンポンと叩かれる。
私はいやそうな顔をして、職員室に向かった。
「失礼します、村岡先生に用があってきました。」
[はい、どうぞ~]
快く返してくれたのは、多野教頭だった。
返事の後、ドアを閉め村岡のところへ行く。
そして、想像通りのぐちぐち説教タイム。
右から左へ受け流される暑苦しい説教。
「…はい、はい。わかりました。」
ひとまず分かった振りをしてその場を去る。
「失礼しました。」