君に恋した
「え?」
『何でもない。ところで、あなたはなんでここにいるの?もしかしてストーカー?』
「違うよ!!家がこっちの方向なんだよ。たまたま通りかかっただけ。」
『ふーん。』
そう言って、子犬を段ボールに戻して立ち上がる。
「こいつどうするの?」
『家じゃ飼えないから。』
「そうなんだ。俺の家も無理だな。ごめんな。」
そう言って、彼は子犬を撫でている。
『誰が捨てたか知らないけど、人間て自分勝手だよね。自分が欲しくて、飼ったんだろうけど、都合が悪くなったら、こんな空き地に捨てちゃうなんて、最低だよね。』
「そうだな。こいつは何にも、反抗できないまま捨てられたんだろうな…。」
『それじゃぁ私、帰るから。』
「あ、うん。じゃぁね。」