君に恋した

そして、あの時のように抱きしめてきた。






大切なものを扱うように、そっと抱きしめられる。








「笑ってくれ…。春瀬。」







『なんで?なんで、そんなこと言うんですか…?』







ふと、昔、施設を訪ねてきた人を思い出した――――







"香凛ちゃん、笑って"―――――







その人もそう言っていた。







どうして?みんなどうして私に笑えって言うの?








先生の腕の中は、何となく懐かしい気がした。








なんでだろう?






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