君に恋した


「まじか。」





『最悪。』







「あいつならやりかねないね…。」







昇降口には、先生と私の写真がはられていた。







「ねぇ、あの噂聞いた?」







「聞いた聞いた。3組の春瀬さんと中村でしょ?」






「やばくない!?」












勘弁してくれ。







教室に行ったら、更に白い目で見られた。







「春瀬さん!!至急会議室に来てください。」







名前の分からない先生に呼ばれた。







「香凛……。」







『大丈夫。心配しないで。』






「香凛!!」





廊下に出ると倉原蓮がいた。







「香凛……この騒ぎ……どういうこと?」







『………。』







「言葉通りの意味よね?」







ニヤニヤしながら長谷川里奈がやって来た。







「蓮君。こんな子ほっておきましょ?」







長谷川里奈は倉原蓮の腕にまとわりつく。






ズキッ







胸が痛い。







長谷川里奈が倉原蓮の隣に居ることがとてつもなく嫌だった。







『違うから。』







「……俺は香凛を信じるよ。」








「蓮君。こんな子信じても無駄よ。」




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