君に恋した
意味ありげに言う、長谷川里奈。
「親もいない。決していいとは言えない環境で育った子だもの。嘘くらい、いくらでもつくわよ。」
『………!!』
周りがざわつく。
「春瀬さん、親いないんだって~。」
「可哀想~。」
『………。』
「中学時代は、同じクラスの男の子殴ったって言うじゃない。」
なんで、こいつが知ってるんだ…?
「なんで?って顔してるわね。聞いたのよ。あんたと同じ中学の子に。ホント可哀想な子。」
『………。』
悔しいけど言い返せなかった。
「長谷川里奈!!あんたいい加減にしなさいよ!!」
美桜が教室から飛び出して言う。
「あら、久遠さん。あなたも同じようなものじゃない。」
「………。」
「いい加減にしろよ!!」