君に恋した
変な人
『はぁ…。』
「何ため息ついてんのよ…。幸せ逃げるよ。」
『いいよ別に。逃げるほどの幸せ無いし。』
「おいおい…。」
昼休み、他の子達はキャピキャピ騒いでいるのにもかかわらず、私達は静かにお弁当を食べる。
「香凛、またパンだけ?」
『作るの面倒くさいし。』
「あの、春瀬さん。倉原君が呼んでるけど…」
と、クラスの女の子に呼ばれて、教室のドアに目を向けると、昨日の彼が立っていた。
「あれ?香凛、蓮君と知り合い?」
『いや、知り合いっていう訳じゃないけど…』
「香凛ちゃん、昨日は本当にありがと!!」
そう言って、ビニール傘を差し出してくる。