君に恋した
「分かりました。お預かり致します。」
「お願いします。」
――――
―――
――
「そして、香凛ちゃんは家に来たの。」
『………。』
「ご両親が俊哉くんを連れてきたときは、18歳だったの。だから、育てられないと言うことで、預かったのよ…。でもまさか、香凛ちゃんまで預けに来るなんて…」
何とも言えなかった…。
はじめて聞く両親の話。
「香凛ちゃんが来てすぐ、俊哉くんは引き取られて行った…それから俊哉くんが高校生になった頃かなぁ…俊哉くんがね、香凛ちゃんに1度だけ会いに来たの…。」
"俺と春瀬は、10年以上も前に1度会ったっきりですから"
「俊哉くんね、その時"いつか香凛を迎えに来たいと思っています。でも勇気がなくて…香凛が俺を受け入れてくれるか分からないから…"って言ってた。」
『………。』
確かに、いきなり"兄妹"なんて言われても信じられない。
「でね、香凛ちゃんが高校生になったとき、俊哉くんから電話があったの。」
『え?』
「"俺のクラスに香凛がいる"ってね。」