君に恋した
「遅くなってごめん。」
『私も今来たところ。』
「じゃぁ行こうか。」
『うん。』
今日は蓮と出会った日に捨てられていた子犬に会いに行く。
「ここだよ。」
『へぇ~』
ピンポーン
「はーい。あら、倉原くん。待ってたわよ。」
「田中さんおはようございます。」
この人は田中さんと言うらしい。
『初めまして。春瀬香凛です。』
「初めまして。さ、あがって。こっちにいるわよ。」
「『お邪魔します。』」
「ポチちゃんこっちにいらっしゃい。」
ワンワン!!
「『(ポチって…なんとありがちな…。)』」
田中さんの家には、ポチ以外にも数匹の犬がいた。
ポチは元気よく田中さんに飛び付いた。
捨てられていた時は、すごく弱っていたけど、今はとても元気そうだ。
少し大きくなった気がする。
「ほら、ポチを見つけてくれたお姉さんだよ~」
そう言って田中さんからポチを受け取った。
『元気そうでよかった。素敵な人に拾ってもらってよかったね。』
ポチをそっと撫でる。